■ Audio Short Essay  No.25 ■

◇ 試聴室のパワーアンプ更新 ◇

先日の突然のパワーアンプ故障で、アンプの更新計画が浮上しました。
10年ぶりのアンプ購入 ---- 4wayマルチアンプシステムのスコーカ用として適したアンプは、
今では少なく、あまり選択の余地がありません。しかし数日のうちに A級増幅、 30W 出力の
トランジスタ・アンプに目に留まりました。過去のオーディオ雑誌を調べて、このアンプの評価記事
を探します。そして、その試聴感想文の中で、中・高音の音質評価について目を凝らします。
このような時、信頼するオーディオ評論家の評価は、かなり参考にするに値します。ただし、
そこに書いてある言葉を鵜呑みにはしません。この人はなぜ、このような表現をするのか、
その裏を読みます。従来までは、候補機種を 2〜3機種を選んで、試聴室のあるオーディオ店で
聴かせてもらうのですが、今回は資料だけで選定作業を進めました。その結果、新規購入予定の
このアンプは、瑞々しい、はつらつとした音質を持っていると判断しました。

このとき 「心地よい自然な音」 とか 「癒される素直な音」 と評価されているアンプを選ぶと
失敗します。2way ならそれも アリ でしょう。しかし 4way で広い帯域を持つマルチアンプシステム
では何より 「リアル」 でなければなりません。一歩間違えれば 「きつい音」 「潤いのない音」
になる可能性もありますが、マルチアンプシステムの極めて多い調整機能が、これを
「リアルで実在感のある音」 に変身させます。

こうして、この新アンプの選定作業は短期間に進み、発注後、数日を経て無事、納入されましたが、
A級増幅につきものの発熱の問題で、その後、さらに苦労することになりました。

このアンプの取説によると、無信号時の発熱量(損失)は約 150W で、設置に際して 「アンプの
両サイド及び天板は、周囲から 15cm 以上空けておくこと」 とあります。現状で納められるラック
は試聴室の写真を見てお分かりのように、取説で指定するほどのスペースがとれません。
このままラックに入れたらどうなるか。 まずは問題なく使えるでしょう。 しかし長期間使用での
発熱で内部温度は高くなり、アンプの寿命が極端に短くなる危険があります。

そこで、このアンプを収めたラック後方に、冷却ファンを取り付けてみました。結果、アンプは冷えます
が、音が耳障りで使い物になりません。そこで調べていくと、「超低騒音タイプ」 というファンがある
ではありませんか。それと、ファンの羽根の直径が大きいほど、風量の割に騒音は少ないという
ことで、直径 14cm タイプのファンを入手しました。定格入力は DC12V ですが、それを 11V に落とし
さらに低騒音化しました。無音時、試聴位置での騒音は、ほとんど聞こえなくなりました。

その後、すべての音響データの再測定と微調整を行い、パワーアンプ更新作戦は終了しました。
現時点で、ほぼ 100% 近いパフォーマンスを示すシステムとなったと思います。



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