■ Audio Short Essay  No.5 ■

◇ マルチアンプ・システムについて その2 ◇

もう少し、マルチアンプ・システムについてお話しましょう。

このシステムを組まれている人の一部で、パワーアンプを同一メーカーの同一機種で揃えている事例を

見かけます。この方法は根拠が薄く消極的な考えによるもので、無駄が多くなります。マルチアンプ

システムは構成機器が多く、それだけトータル・コストも大きくなるので、効率的に考えたいものです。

一般的には低音域ほど馬力のあるパワーアンプを選び、高音域には小出力でも瑞々しい鮮度の高い音を出す

パワーアンプを選びます。


チャンネル・デバイダはこのシステムの要(かなめ)です。できれば最新のデジタル式チャンデバをお薦めします。

デジタル式は急峻な遮断特性を選ぶことができ、また各帯域にタイム・ディレーを設定できるので、タイム・

アライメントの調整が容易です。


低音域のウーファは折角マルチアンプにするのですから、頑張って 38cm を採用すると、あとで後悔しません。

頑張りすぎてダブル・ウーファにする人もいますが、私の経験から部屋の広さが 20畳までは 38cm シングル

ウーファで問題ありません。ダブル・ウーファにしたからといって低音域が拡大するものではありません。


ミッドバスは当ラボの試聴室では昨年まで 25cm を使っていましたが今年になって 30cm に更新しました。

以前はミッドバス帯域が受け持つ音響エネルギーは 25cm で充分と考えていましたが、意外と大きな音響

エネルギーを放射しなければならないことが分かってきました。


スコーカーは当然ホーン型になります。ホーン型スコーカは、ダイヤフラム径が4インチ〜2インチのタイプ

があって、それぞれ長短があります。4インチは低域を約 500Hzまで使えてサックスの図太い音の再現が

得意である一方、高域が早く減衰します。2インチは低域の量感が少し軽いものの、高域まで十分延びています。

当試聴室のシステムでは、バランスの良い3インチ・ダイアフラムのコンプレッション・ドライバを使用しています。


ツイータは、可聴周波数範囲のごく一部のエネルギーしか放射しませんが、料理の塩加減のように全体を

引き締める効果があります。また楽器の音色を決める重要なパーツです。ここの音色もかなり好みが

分かれますので、いろいろと試聴体験されることをお勧めします。

当ラボの試聴室では上述のようなコンセプトで組んだ 4wayマルチ・アンプ・システムを運用しています。




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