■ Audio Short Essay  No.3 ■

◇ オーディオ製品の評価とユーザーの憂鬱 ◇

現在のオーディオ雑誌をながめてみると、昔に比べ、技術評論が少ないのが目につきます。

オーディオ趣味が熱かった1960年〜1980年始めまで、新製品の発表と共に、いろいろなデータを

伴った技術解説記事も多く、自作派の多かった読者に貴重な情報でした。また特に技術系オーディオ誌

では、その編集部が企画した「各メーカーのスピーカー・ユニットの特性データとその試聴」 などの

記事が、ベテラン読者の参考になったと思いますが、以後このような記事も目にしなくなりました。


あれから25年以上経ち、現代ではオーディオも技術競争時代とになり、アンプの取扱説明書には回路図

も記載されなくなり、技術内容は代表データだけになり、詳細な生データは全く見かけなくなりました。

残念な傾向です。


オーディオ・ショーなどで新製品を試聴できる機会のあるアンプ、スピーカーなどは、まだ良いのですが

ほとんど試聴の機会のないケーブル類、オーディオ・アクセサリーなどは、評論家たちの評論を頼りに

することが多くなります。信頼すべきオーディオ評論家の表現の基準は、浮遊していて、全てを信用する

ことができません。オーディオ初心者が、振り回される理由がここにあります。


オーディオ・ケーブルに至っては、「違いがある」、「いや何を使っても同じ」 と意見が分かれます。

ケーブルの違いを認識しないユーザーは、体験する機会が無かったから信じないのでしょう。

このようなオーディオ・アクセサリの分野では、特性データでその違いを明示することが難しいため、

特にその効果が不透明に感じられ、評価が分かれます。

このような製品ではメーカーが自社製品の宣伝に際して、他社製品も含めた比較テストを、ユーザーに

公開したり、またオーディオ雑誌においは”労力を伴う”ブラインド・テスト記事などを載せるべきと感じます。

そうして、オーディオは 「オカルト」 という侮蔑的言葉を、なくしたいものです。





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